コンピュータ利用監査技法とは(CAATsとは)~CAATsで業務カイゼン~

最終更新: 4月14日

近年の監査現場においては、監査人が立案した監査手続を実施する上で欠かせない監査技法があります。それが、コンピュータ利用監査技法です。

このコンピュータ利用監査技法はCAATもしくはCAATs(*1)と略されることがおおく、正式英名は「Computer Assisted Audit Techniques」といいます。



そして、CAATsとは、一言でいうと「ITを活用して監査を行う技法」です。


・・・ちょっとざっくりしすぎていて、やや不明瞭で、、、なんか空をつかむような、そんな感じですよね。

かくいう私も、パソコンを使わない監査は想定していなかったので、初めてCAATsという言葉を知ったときは「え?監査手続の全部がCAATsなのかな・・・???」と、変に悩んでしまいました。

そこで今回は、CAATsをもう少しわかりやすく、そしてCAATsの本当の素晴らしさに迫ってみたいと思います。

CAATs(=ITを活用して監査を行う技法)は、すでに今日の監査実務の中に浸透しており、各システムから出力されたデータに対してExcelなどを利用して行う監査も当然CAATsになります。もちろん、ACCESSやCAATs専用に作成されたソフトウェア(ACL AnalyticsやIDEAなど)もあり、それらを利用して行う監査もCAATsになります。


つまり、CAATsは、コンピュータを利用した監査技法そのものであり、ExcelやACCESS、ACL Analyticsなどは監査手続を実施する上で利用する道具(ツール)にすぎない、と言えそうですね。


監査は、下図のように、今日までに様々な道具(ツール)が使われてきました。

ソロバンを使っていた監査の時代など、ちょっとした監査の歴史を感じてしまいますよね。



では、CAATsの本当の素晴らしさとは何なのでしょうか。

それはやはり、大量の資料(データ)を対象とする場合や複雑な計算ロジックの検証等、手では到底実施できない監査手続を効率的に実施できることです。現代の監査では、大量のデータに直面する機会も多く、その大量のデータを処理・分析する際にCAATsを活用して監査を行っています。



企業活動における各業務プロセスでは、日々業務改善が図られています。


トヨタ式のカイゼン(Kaizen)は日本が誇る業務改善の考え方ですよね。実は、CAATsの導入はまさしく内部監査プロセスにおける業務カイゼンなんです。今まで手作業でやっていたことをExcelやACCESS、CAATs専用ツールで実施することで、品質向上はもちろん、大幅な効率化をも図ることができます。そして、CAATsの活用方法によっては、効率的な監査を毎年継続的に享受できますし、CAATsを使いこなすことで、監査の自動化も実現できてしまうんです。

当社でお手伝いさせていただいた内部監査支援においても、CAATsの導入により、今まで30人日以上かかっていた業務が、なんと1時間弱で完了するまでに短縮できました。この効果を毎年得られることが、CAATsによる業務カイゼンの成果だと考えます。これなら、短縮できた時間を使ってコーヒーブレイクを1回くらい増やしても怒られませんよね。コーヒーブレイク中に、「CAATsなら●●分析もできそうだな。ああやって、こうやって・・・」なんて、監査品質向上につながるアイディアが生まれたら、その時はもうCAATs技術者への道を歩んでいる証拠です。


CAATsは、不正や誤謬の発見や労務監査、予実分析調査、財務諸表監査など、データ処理やデータ分析を行う上で幅広く活用されています。そして、これらの監査や調査は、なにも内部監査部門だけが実施している業務ではありません。人事労務部門や経理財務部門、コンプライアンス部門などの管理部門も日々行っている業務になります。そのため、内部監査の業務カイゼンにとどまらず、様々な部門でCAATsの技術を活用することが可能といえるでしょう。

内部監査部門で培った監査経験と管理部門で培ったデータ処理やデータ分析経験をCAATsを通じて相互に取り入れられれば、各部門の連携が図られ、双方の業務カイゼンにまで貢献できそうですよね。CAATs活用の推進は、まさに内部監査部門にとどまらず、会社全体の価値を高める絶好の機会とも言えます。


皆さんもぜひ、CAATsを活用して業務プロセスのカイゼンを図ってみてくださいね。


*1) 日本では、「CAAT」と表記されることが多いのですが、海外では、複数形のsをつけたCAATsと表記されることが多く、一般社団法人国際コンピュータ利用監査教育協会 (ICAEA)(*2)でもCAATsという言葉を採用しているため、当ページでもCAATsという言葉を使用しています。


*2) ICAEAは、「International Computer Auditing Education Association」の略称であり、CAATsを実務で活用できる人材を育成することを通じて、 従業員不正や事業部不正等の日常的な不正・誤謬の発見、防止に貢献することを目的としている団体です。                                 執筆者:上野哲司

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